FXトレードにおけるテクニカルの説明になりますが、今回はフィボナッチリトレースメント、略してフィボナッチについてです。
このフィボナッチですが、イタリアの数学者レオナルド・フィボナッチが研究の末に開発したものであり、フィボナッチの後に付いているリトレースメントとは、引き戻す・後戻りといった意味のようです。
また、フィボナッチは別名黄金分割比率とも呼ばれており、人間を含めて自然で生活している多くの生物の成長パターンが1.618の比率になっている事をレオナルド・フィボナッチが発見したとの事です。
それはともかく、今回説明するフィボナッチは各種トレード局面において重要になってくることが多々ありますので、是非頭の中に入れておいて下さい。
フィボナッチとは?
フィボナッチには黄金分割比率という呼び名があると説明したように、このフィボナッチにはいくつかの比率があります。これをフィボナッチ比率と呼び、23.6%や38.2%、50%や61.8%などの数字で表されています。
そして、これを為替相場に当てはめてみると、為替相場は上昇や下落を繰り返しながらトレンドを形成していきますよね?そこで、一旦トレンドが形成されると為替レートはしばらくトレンド方向に進む事になります。
ただ、大抵の場合トレンドはある程度の期間が過ぎると反転する事になります。一旦高値を付ける、または安値を付けるとそこが反転ポイントになる訳です。
しかし、反転するという事は、為替レートが今までとは逆の方向へ、つまり戻しながら進んでいくのですが、果たしてこの戻しがどのくらいまで来るのか?を予測するために、このフィボナッチ比率が重要になってくるのです。
例えば、強いトレンドの場合には高値から安値(または安値と高値)を結んで算出されたフィボナッチ指数の38.2%までの戻りが予測され、逆に弱いトレンドの場合には50%や61.8%までの戻りが予測可能になります。

上記参考チャートはローソク足とボリンジャーバンドにフィボナッチ指数を追加したものですが、下落トレンドが一旦収束して反転上昇中のものになり、フィボナッチ指数38.2%で2回跳ね返されています。
このまま再度下落するようであれば、この下落トレンドが強いと判断する事が可能なため、再度下落する事が考えられますが、逆に38.2%を超えて50%や61.8%まで戻った場合には弱いトレンドだと判断する事が可能になります。
ちなみに、61.8%以上の戻りが合った場合には、それはもうトレンドの起点、つまり全戻し(この場合は87.991)までありうるという事が予測可能になるのです。
フィボナッチの利確ポイントは?
FXトレードでは利益確定が重要になります。それでは、早速参考チャートで説明します。とは言っても、このチャートはフィボナッチ指数の説明の時に使っていたものになります。

まずは仮想の条件で進めていきますが、現在あなたがAUDJPY85.00円近辺の買いポジションを保有していたとします。その後、為替レートが上昇して現在は85.80円近辺まで上昇しています。
ただ、参考チャート内の赤丸部分を見ていただくと分かりますが、フィボナッチ指数38.2%近辺で2回跳ね返されて少し下落しています。ちなみに、ここで決済をすれば0.80円分の為替差益を得る事が出来ますので、1万ドル保有していれば8,000円の利益になります。
ですが、為替相場では何が起こるか分かりませんし、ローソク足の終値で一目均衡表の雲を上抜ければフィボナッチ指数38.2%を超えて上昇する可能性もゼロではないのです。
そこで、この段階での利確ポイントの算出ですが、フィボナッチ指数38.2%の86.01円近辺で行う事が考えられます。逆に再度下落する可能性を考えると、フィボナッチ指数23.6%の下85.5円近辺あたりが候補として挙げられます。
また、再度下落する場合には、過去に3回ほど跳ね返されているフィボナッチ指数23.6%の85.55円近辺(参考チャート内黄丸部分)に一目均衡表の下限の雲もありますので、85.55円近辺にストップ注文を入れるのもありです。
そのため、ここでのトレード戦略としては、まずはフィボナッチ指数23.6%と一目均衡表の下限の雲がある85.50円近辺にストップ注文を入れる。
その後、為替レートの動きを見ながらローソク足の終値がフィボナッチ指数38.2%や一目均衡表の雲の上限を突き抜けてきたら85.50円に入れたストップ注文を為替レートの動きに合わせて上げていく戦略が有効になります。
こうする事によって、今後為替レートが下落した場合には、85.50円で決済されますし、逆に為替レートが上昇した場合にはストップ注文に引っ掛かるまで利益を伸ばす事が可能になります。
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